寮美千子さん
2009年11月の1カ月間、毎日新聞で連載されていた「ならまち大冒険」を目にした人も多いだろう。奈良町地区を舞台にし、奈良町の魅力が味わえるこの物語の作家は、寮美千子さん。奈良町育ちかと思ったら、首都圏のニュータウンで育ったとのこと。「小さい頃から古いものに憧れがあって、時々訪れるお母さんの実家での自然遊びが楽しかった」と語る。修学旅行で訪れた奈良を忘れられず、奈良うるしとの出会いから、奈良に引き寄せられるように、住むことになる。
奈良町の魅力を聞いてみると、「毎日、普通に歩くだけで癒され、心が開放される風景であるところ。古くなって美しさを増すものこそが本物。奈良町は本物のある町」だと。しかし、残念なことに、町屋を継ぐ人が減り、簡単に取り壊しや建て替えが行われてしまう。せっかくの町並みを壊すのではなく、町の価値を高めるために、手をいれることができるのではと訴える。新築でも、奈良町になじむ色や素材を使う工夫をしてほしいという。「知恵とパワーはタダ」と言い切る寮さんは、現在も、とあるギャラリーの改装を助けている。
そして、次の世代に奈良町の風情を残すために、古き良きものの大切さを物語にこめる。現在は「ならまち大冒険」の続編を構想中だとか。次は奈良の自然を守ることの大切さを子供たちに伝えられたらという。
「ならまち大冒険」の原画展や平城遷都1300年祭キャラクターまんとくんのバックアップなど、奈良を盛り上げるために精力的な活動を続けている。
(奈良市在住)


