今柄紫峯さん
伝統と創作の二つの「書」の世界で羽ばたき始めた紫峯さん。そんな彼女は小学生に楷書、大人に創作書道を同じ場所で同時に指導することもあるそうだ。かちっとした文字の机と独創的な作品の机の間を軽やかに行き来する様子は現在の彼女のあり方にも重なる。
「伝統と創作、どちらが欠けても私ではないと思います」ときっぱりと答える紫峯さんは、幼いころ左利きを直すために自宅近くの書道教室に通いはじめた。同級生より下手であっても、書道が好きで続けた少女は今、「書」の世界を歩んでいる。
「今もその先生のお稽古に通っています。書の道に終わりはないし、自分が教える立場になって改めて見える、先生の真摯な教え方に触発されています」。
そんな紫峯さんと創作書道との出会いはほんの偶然から始まった。教室案内のチラシが伏見の酒造業の社長の目にとまり、日本酒のラベルの創作を依頼された。打ち合わせと試作を重ね、日の目を見るまでに一年かかった。 「蒼空」。この二文字を完成させた紫峯さんの心にも新しい空が広がっていた。
今では商品ロゴのデザインやインテリアのオリジナル商品などにも、筆をふるっている。
ワークショップやパフォーマンスで作品が生まれる過程や瞬間を多くの人と共有する喜びも感じているという。
今、紫峯さんが特に力を入れているのはガラス面に直接墨書できる特殊な墨用液で文字を描く「ガラス書」。光や明かりを通すガラスを舞台に紫峯さんの筆の世界がますます伸びやかに輝きを増している。(生駒市あすか野南在住)。


